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よあけの部屋

□ 魔物娘たちの御主人様! □

第6話 買い物へ

3日ぶりに宿を出たタロウとプス子は市場をのんびりと歩いている。

今後、この町にしばらく残るにしても出るにしても、色々と必要な物を揃える必要があると考えたタロウは二人で市場に来ていた。

タロウは考え事をしながらポリポリと頬を掻く。

「(うーん……。Hの回数は確かに多かったが「波動愛撫(バイブ)」や「媚薬精液(ハニーミルク)」で快楽漬けにしたわけではないんだけどなー……)」

タロウがなぜこんな事を考えているかというと、その原因は背中の圧迫感にあった。

3日前にプス子を購入して町中を歩いていた時は、確かタロウとプス子の間には2メートル程度の程よい距離間があったはずなのだ。

それが今や1メートル程度という感じで、プス子はタロウの後をぴったりとついてきていた。

「どうしたプス子。今日はえらく近いな」

「うんー。自分でも良く分からないんだけど、なんかタロ様の近くにいたくてー」

プス子は「えへへー」と嬉しそうに笑う。

「へー」

タロウは適当に返事する。

「(魔物でも肉体関係を結ぶと、ちゃんと情愛が生まれるんだな)」

と、冷静に状況を分析しているかのような態度のタロウだが、実は先程からプス子に食べ物を買い与えて甘やかしまくっていた。

タロウもまた肉体関係を結んだことによる情愛がプス子に対して生まれていたのである。

だが、タロウは自身の心に素直に従ってプス子を甘やかしながらも今後の参考のためにきちんと分析もしておく。

タロウはこれらの知識と経験を無駄とせず、ちゃんと蓄積して夢のハーレム作りに活かすつもりなのだった。

「武器防具はここで買おうか」

しばらく二人でぷらぷらと市場を歩きまわった結果、タロウは一件の武器防具屋を選んだ。

なにせプス子の装備は布ビキニのみである。
これで戦闘をさせてはいくら命があっても足りない。

それに脱童貞と共にあらゆる童貞的妄想の欲望を健気に受け入れてくれたプス子が目の前で死んだら、出会って数日のはずなのにタロウは号泣できる自信があった。

「(Hはお互いに心の扉を大きく開けて晒した心を受け入れあう。つまりはお互いの関係が一気に深まる凄い行為って事なんだな……)」

しみじみとタロウはHの偉大さに感服する。
プス子の事がより大事に感じられるようになったからこそ、今後の為にしっかりとした装備品を揃えて与えるつもりだった。

「(ただし文無しになっては大変だから、残す分も考えてバランス良く買わないとな)」

店主に声をかける前にプス子に質問する。

「プス子はどんな武器が得意なんだ?」

「私は弓が得意だよー。山に住んでいた時もずっと弓を使っていたし、弓で猪とか鹿とか鳥とかを狩って食べてたよ」

「へー、プス子は弓が得意なのか。その大きな単眼は飾りじゃないんだな」

「遠くまで良く見えるよー」

「夜は?」

「月明かりがない夜でも良く見えます」

「それは素晴らしい」

「タロ様にほめられたー」

プス子は嬉しそうに両手を上げる。
動作は可愛いのだが体がでかいので襲いかかってくるような圧迫感があるのが残念だった。

「じゃあ大きな弓なら遠くまで射る事ができるか?」

「できますー」

「刃物は扱えるか?」

「肉をさばくのに使っていたけど武器としてはあんまり使ったことないです。直接に戦う時は木の棒で叩いてました」

「そこはサイクロプスっぽく鈍器系なんだな。なら今回も近接戦用は鈍器にしておくか。刃物と違って大雑把な攻撃で良いからな」

「あいー」

タロウは店のおやじに声をかけるとプス子用に店で一番の大弓と鈍器系の武器、鉄製の胸当、籠手、すね当て、木の円盾を見繕ってもらう。

「お客様、こんな感じでどうでしょうか」

まず、おやじが持ってきたのはタロウの身長程もある木製の大弓。
それなりの木を使っているので質は悪くないらしい。
価格は銀貨1枚(1万円程度)だった。

「わー! カッコイイ弓だー! タロ様、これ私にくれるの?」

「ああ、大事に使えよ」

「あいー!」

プス子は大喜びだった。

次は、鉄棒の先に鉄塊がついた少し大きめのメイスを銅貨3枚(3000円程度)で購入。

鉄の胸当てを銅貨5枚、鉄の籠手を銅貨3枚、鉄のすね当てを銅貨2枚、木製の円盾(縁や表面の一部には薄い鉄板が貼ってある)を銅貨1枚、弓矢を50本で銅粒5つ(500円程度)で弓矢入れは店のサービスで無料で貰った。

「タロ様、私にこんなにたくさんくれるのー!?」

「俺は弱いからな。今日からプス子が俺を守ること。ほら、鎧と籠手とすね当ては自分で付けな」

「あいっ! タロ様は私が守ります!」

プス子は自分で鎧や籠手やすね当てをつけながら何度も「うんうん」と真剣な表情で頷いている。
その様子を見ていた店のおやじが感心する。

「いやーお客さんの魔物奴隷は、まるで主人の言葉が分かっているかのように動きますなー。これほどの「魔物使い」とはお目にかかったことがありませんよ。一体、どんな調教を施せばそれほど忠実に動くんですかね」

「あー、いや、それはもちろん躾ですよ躾。そこらの「魔物使い」と大差はないですよ。あははは!」

タロウは笑ってごまかす。
しかも「魔物使い」という単語も初めて聞いたのだが変に勘ぐられない為に、いつも通りに知ったかぶりをしておいた。
それと、あまり人前で魔物と「会話が成立している」感じを出さないほうが良さそうだとタロウは自戒する。

「(人前で魔物と会話する場合は、主人が一方的に話しかけている感が大事そうだな)」

プス子の買い物が終わると、続いてタロウ自身の買い物をすることにした。

「おやじさん。俺の装備も見繕ってもらえるかな」

「はい、もちろん。どんな装備をお求めで」

「俺も鉄製の胸当、籠手、すね当てで」

「武器は良いんですか?」

「ああ、この短剣があるから」

「はい分かりました。少々お待ち下さいませ」

武器防具屋のおやじは店の商品棚からタロウのサイズに合う装備を見繕っている。

「タロ様は武器要らないの?」

「俺はまだ戦闘に慣れていないからな。まずは普通の短剣で慣れてみるよ」

「ふーん」

「本当に俺は戦闘が苦手だからプス子が頑張るんだぞ」

「あいっ! 任せてタロ様!」

プス子と話していると店のおやじが装備一式を持って戻ってくる。

「こんな感じでどうでしょうかね」

タロウは装備を装着して確かめる。

「ちょうどぴったりだね。これを頂くよ」

「はい、毎度あり」

プス子に買った防具一式と同じぐらいの金額をタロウは払う。

「じゃ、行くぞプス子」

「あい」

二人は装備を揃えると市場を出るのだった。

「装備は重くないかプス子」

「まったく大丈夫です!」

プス子は防具をまとい背中に大弓、腰の後ろに弓矢の入った弓矢入れをかけ、右腰に円盾を下げ、左腰にメイスをかけている。

「こんなに凄い装備があればお父さんとお母さんを守れたのにな……」

プス子が寂しそうに呟く。

「人間を代表して俺が謝るよ。悪いことをしたなプス子」

「ううん! タロ様は悪くないよー。悪いのはあの魔物狩りの人間達です。魔物にも悪い奴や良い奴がいるのです。だから人間もきっと同じなんだなとタロ様に出会って思いました」

「いや、この世界の人間は魔物にとっては悪い奴が多いと思う。どこかに良い奴もいるのかもしれないけど、俺が言うのも何だが人間を基本的には信用するな」

「タロ様も信用しちゃだめ?」

「俺は特別だから信用しとけ」

「あいー」

タロウとプス子は安宿へと帰るのだった。
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