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よあけの部屋

□ 魔物娘たちの御主人様! □

第2話 タロウのH能力

魔物娘とウハウハはしたいけど、そもそもは人間女性が好きで、童貞をこじらせていたら性癖がちょっと残念なことになって、今や魔物娘も美味しく食べられるよなーとか思っていただけだし、魔物達を助けるために何か壮大な事をするとかちゃんちゃらおかしいよね!

と、タロウは田畑の間にある道をぷらぷらと歩きながら一人思う。

「……もともと、あくせくと働くのが苦手で貧乏でもマイペースに生きることが好きな人間だからな俺。「達成目標」の徳ポイント100加算はおいしいけど内容は不明だし、そもそもクリアして欲しいような話しぶりだったくせに、内容不明って一体なにがしたいのかよくわらんよな……」
 
タロウはため息混じりに鼻先をぽりぽりと掻く。

「ま、達成目標は任意には違いないんだろうからあまり深く考えずに、今までどおり何かこじんまりと生きていける方法を探して、堅実に徳ポイントを貯めて楽しんだほうがいいよな。一応はあのサラリーマンも「楽しんで下さい」と言ってたし」

タロウは自分が手に入れたチート能力に思いを巡らせる。
大まかには3つのセット。

1つは身を守るための戦闘能力。
1つは女性とウハウハする為のサポート能力。
1つは異世界人や魔物と会話するための言語能力。

この中の女性とウハウハするチート能力を思うとタロウは自然と口元が緩んでしまう。
サラリーマン風の男から提案された女性とウハウハする為の能力の内容はこうだった。

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★女殺しセット(必要な徳ポイント 11P)

・無限精力(エンドレス)
射精回数が無限です。疲れません。
もちろん心臓への負荷も無しなので安心安全です。
満足感はあるので一度だけでも大丈夫です。

・波動愛撫(バイブ)
タロウ様の手などが女性の体に触れた部分から波動が伝わり脳を刺激して快感を増幅します。
どれだけ抵抗しても快感を与える事が可能です。
これの虜になってしまうと骨抜きです。

・媚薬精液(ハニーミルク)
タロウ様の精液に媚薬効果と中毒性を持たせます。
これで落ちない女性はいません。

※注意!!
女殺しセットをフルに使うと確実に女性を籠絡できる代わりに、当然ですが「愛情に関係なく」タロウ様に依存してしまいます。
使用の際には用法用量を守り、その女性を一生側に置くかどうかを必ず吟味した後、覚悟を決めてから使用して下さい。
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「……最後の注意がちょっと怖いけど、まー、簡単に言えばサキュバスの男verな能力だよな。女性に対してHによる依存性の高い快感を与える事ができるわけだ。ウヒヒ。男にとっては夢のセットだな。でも、愛情が芽生えるわけではないからそこは自分で頑張れというところか」

タロウはこれから訪れるであろう「脱童貞」を想像すると口元が緩んで仕方がなかった。

元の世界でもチャンスがないこともなかったのだが、どうしても恋人関係とか結婚生活とかが頭にちらついて面倒くさくなってしまい、結局はお手軽な妄想や夜のオカズが楽だなと遠ざけていたら22歳になっていたのだった。

「こんな異世界に来てしまった以上は、もうオタク趣味の方が好きとか言ってられないからな。やりたいように生きてみよう。とりあえず妄想していた「おっぱい」を揉んでみたいなー」

にへらにへらとしながら道を歩いていると道先から馬がやって来る。

馬の上にはそれなりに武装した者が乗っており、どうやら「騎士」のようだった。

騎士はジッとこちらに視線を向けている。

タロウは表情が読み取られる距離になる前にいやらしい笑みを止めると、そのまま近づいてきた騎士に視線を合わせず前だけを見る。

無言の交差。

馬の蹄の音だけが辺りに響く。
騎士はタロウを見下ろしながら横を通り過ぎていく。

「(…………大丈夫そうだな)」

タロウがホッと内心で安堵したその時だった。

「――止まれ。そこの男」

騎士の声がタロウの背中に突き刺さる。

騎士の声と同時に馬が「ブルル」と声をあげる。

どうやらその場に止まったようだ。

タロウは騎士に背を向けたままその場に立ち止まり、そしてゆっくりと振り返った。

「……何か御用でしょうか」

「貴様、何をしにここへ来た」

「……あ、はい。私は魔物殺しでして、ここいらに魔物はいないかなと」

「ほう、魔物殺しか」

騎士は馬上からジロジロとタロウを値踏みしている。

「そんな小さな得物で魔物が殺せるのか?」

タロウの左腰に下げられている短剣に騎士は疑問を持ったようだ。
確かに騎士は立派な長剣を腰から下げている。

「私は弱いのが専門なもので」

「なるほど。確かにスライムなどなら短剣でも大丈夫だな」

「ええ、へへへ(良かった……話が通じた)」

タロウは愛想笑いで応える。

「この領土は我らロイレン帝国の植民地ゆえ、治安部隊である我ら第七教導騎士団が巡回しておるから魔物はいないぞ。獲物が欲しければ山や森に行くんだな。人が住んでいない場所には魔物が潜んでおるからな」

「はい、分かりました」

「うむ」

騎士はそう言うと馬の頭を手綱で動かして歩き去って行った。

「……ぷはぁ。緊張した。植民地を管理するために治安部隊が巡回しているんだな。ロイレン帝国の第七教導騎士団か覚えておこう」

タロウは元の進んでいた方向にまた歩き始める。 
しばらく歩き続けると小さな町が見えきた。

「お……町があるな。この異世界の文化を知るためにも入ってみるか」

タロウは町に入る。

小さな町だが活気はあるようだった。

通りには沢山の出店が並び人通りもそれなりに多い。

旅人の姿が多いのを見るに交易路なのかもしれないとタロウは思う。

タロウは雑多な商品を出している出店のおやじに「地図は売ってないか」と尋ねて、簡素な大陸地図を銅貨1枚(1000円)で仕入れた。
もちろんおやじに現在地も訪ねて自分の居場所を再確認する。

タロウが居る大陸の形を例えるならば人間の「頭、首、胸」といったところか。

頭の部分が魔物達が逃げ込んでいるという「未開拓地」である。
地図の位置でいえば上部で北側。
ここに逃げ込んだ魔物達を追って魔物殺しや魔物狩りがこぞって入り込んでいるらしい。

首の部分が頭と大きな胸部分を繋いでいる荒野。

そして大きな胸部分こそがこの大陸の主要な箇所である。

大陸の西側を大陸統一を目論むロイレン帝国。

大陸の真ん中を縦に3つの小国があったが、既にロイレン帝国に滅ぼされて植民地とされてしまっている。

そして大陸の東側の上部と下部を二つに分けて国がある。

その他にも東側にはちょこちょこと小さな国があるようだが、タロウは流し見するだけに留めた。

「で、俺の今いる場所が真ん中の縦に3つの小国があった場所の一番目の所か。とりあえずどこかに座って考えたいな……」

タロウはだんご屋らしき屋台を見つけると、だんごセットを銅粒3つ(300円)で購入して、屋台の横に添えられている長方形の椅子に座って食べることにした。
タロウは一口大のだんごを指先で掴み取って口内に放り込む。

「お、うまいなこれ。甘蜜がかかってみたらしだんごみたいだ」

タロウは「もっちゃもっちゃ」とだんごを楽しむ。
すると、だんご屋台の給仕係の若い娘が温かい飲み物を持ってきてくれた。

「白湯ですお客様」

「あ、どうも」

タロウが軽く礼をしながらお盆に乗った湯呑み茶碗のような簡素な物を受け取ろうとした瞬間、娘の足に枷と両足を繋ぐ鎖が結ばれているのに気がついた。

どうやら給仕の娘は「奴隷」のようだった。

タロウは見ないふりをして茶碗を受け取り、白湯を口に含む。
娘はそのまま次の仕事へと離れて行った。

「(……世知辛い異世界ですな)」

タロウはだんごを口に放り込んで「もっちゃもっちゃ」と咀嚼する。

辺りを意識的に見渡してみると、どの店にも雑用係には「娘」しかおらず、その足には枷と鎖が付いており、どうやら全て「奴隷」のようだった。
しかし、逆に店の主などは全て「普通」である。
商売人が「奴隷」を労働力に店を出しているのだろう。

「(ま、俺にはどうしようもないんですけどもね)」

タロウは、まただんごを口に放り込んで「もっちゃもっちゃ」と咀嚼する。

「(しかし、この異世界では魔物も苦労しているようだが、人間もまた苦労しているんだな……)」 

タロウはだんごを「もっちゃもっちゃ」と食べながら「むふー」と大きく一回だけため息をついた。

「……さて、これからどうするかな」

タロウは先程買った地図を見ながら今後の事を考える。

「チート能力を使っての立身出世も楽しそうだけど、まずは最低限の安定的な生活の場を作らないとな。拠点をどこに置いてどう稼ぐか。あとはもちろん魔物娘や人間女性とどうウハウハするか」

タロウは悩む。
魔物娘を求めて魔物が沢山いるという北の未開拓地に行くか。
それともこの異世界の事を知るためにもう少し辺りの国をぷらぷらするか。

「未開拓地には魔物が沢山いるらしいけど当然ながら危険性も高いだろうな。普通に考えたらケンカもろくにしたことのない俺がいきなり行く場所でもなさそうだ」

タロウは茶碗の白湯をぐいっと飲み干す。

「じゃ、もう少し辺りをぷらぷらしてみるか。とりあえずまずはこの町をうろつこう」

タロウは町見学をする為に席を立つのだった。
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