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よあけの部屋

□ 魔物娘たちの御主人様! □

第21話 初狩り

翌日、タロウは朝一番で賞金換金所に行ってメデ美用の「討伐記憶腕輪」を支給してもらい、そのままプス子とメデ美を連れて初狩りへと出かけた。

難民街を出て1時間ほど歩いた殺風景な荒野の真ん中。

初狩りの結果は「世の中を舐めてしまう程に大成功」だった。

「(これはあかん。あかんでー……。こんな簡単に稼げてしまっては、アホになってまうでー……)」

タロウはエセ関西弁で自分を戒めながら、目の前の光景をぼんやりと眺めている。

プス子は大きな単眼を見開いて瞳をキョロキョロと動かす。

半魔獣を見つけたのか腰に下げている矢を取ると、木製の大弓を軽々と引いて躊躇せずに弓を撃ち放つ。

メデ美の魔法により風の加護を受けた弓矢は弓なりには飛ばず、まるでロケット弾のように直線で飛び続ける。

そこにプス子の腕力と大弓の威力、更には驚異的な視力と目測までが加わり、もはやタロウの視力では見えないほどの遠距離の獲物をプス子が黙々と狩り続けている。

「――やた! タロ様、当たりました!」

「仕留めた?」

「あい! 一撃です!」

「良くやった!」

「えへへー」

プス子が嬉しそうに笑う。

「むほほー♪」

タロウも馬鹿っぽく笑う。

なにせプス子が仕留めた半魔獣が今ので「10体目」だからだった。

「(ここでぼんやり突っ立っているだけで既に銀貨10枚。金貨換算で考えれば1枚。先日、酒場で会った魔物殺しの兄ちゃんは一日頑張って銅貨8枚だったはずだから、ハッキリ言ってこの稼ぎ方は異常だ。ゲームで言うなればコマンド記憶が出来るコントローラーで寝ている間に経験値とお金を荒稼ぎする手法に近い。まさにチート級の錬金術)」

現状を分析するタロウの体に「蛇の胴体」でまとわりつくメデ美。

昨夜の肉体関係を得てメデ美にも情愛が生まれたらしく、タロウにスキンシップを図りたくて仕方がないようだった。

宿屋の女将レーデからもらったぴっちり目の白いTシャツに、紺色のミニスカートを履いている。

Tシャツは袖が短め。
丈も同じように短いのでヘソが見えている。

そのぴっちりTシャツは、ブラで整えられたメデ美の丸みのある豊かな巨乳のラインをこれでもかと強調して際立たせている。

そして、紺色のミニスカート。

女性器の位置が人間と大差無いということで、タロウは面白半分にスカートを履かせてみたのだが、これが意外にしっくりと似合ってしまう。

タロウはスカートの中から蛇の胴体が出ているにも関わらず、まるで、むっちりとした人間の太ももが出ているかのような女性らしさとエロチズムを感じてしまうのだった。

タロウは思う「スカート恐るべし!」と。

「どうされましたタロウ様? 何やら真剣なご表情。我等に至らぬ点がありましたなら何なりと仰せつかりになられませ」

メデ美はその張りの良い巨乳を「むぎゅり」とタロウの腕に押し付けてくる。

「(う……。ぴっちりTシャツの巨乳って異様に巨乳感が強調されるのな。これが「見えれば良いってもんじゃねーんだよ!」か。過剰なエロ衣装も悪くはないけど、隠れているはずなのに主張しまくりな存在感に男は弱いんだよな。まさにシンプルイズベスト)」

タロウはメデ美の片乳を「むんず」と鷲掴みにして揉み揉みする。

「あん♪」

嬉しそうな声をあげるメデ美。

「(あー……柔らかい。おっぱいさいこー。今までは妄想するしかなかったおっぱいをいつでも好きな時に揉みたおせるんだもんな。この感動と感謝を忘れずに生きていかねば!)」

タロウは鼻の下を伸ばしながらメデ美のおっぱいを揉む。

「――半魔獣を発見です! 仕留めます!」

タロウがメデ美のおっぱいに夢中になっていると、プス子が新たな半魔獣を発見して射撃体勢に移行する。

「――おっと!! 待った待った!!」

おっぱいに夢中になっていたタロウは慌ててプス子を止める。

プス子は大きな単眼をパチパチと瞬きさせながら、きょとんとした表情でタロウの顔を見つめている。

「今日はもうお終い。これ以上、半魔獣は狩らなくていいよ」

「あい!」

プス子は素直に元気良く頷くと弓矢をしまい大弓を背負う。

タロウの言葉を聞いたメデ美は不可思議そうにタロウに問いかける。

「タロウ様、もう宜しいのですか? 日はまだ真上にも昇っておりませんし、まだ我の魔法もお披露目しておりませんが。プス子の弓も見事なものですが、我の魔法でここら一帯を焼きつくしてしまえば、半魔獣だけではなく魔物らをも一瞬で塵にしてみせましょうぞ!」

「いや、しなくていい、しなくて」

「……そ、そうですか。分かりました」

しょんぼりと悲しそうに俯くメデ美。

そんなメデ美の頭を撫で撫でするタロウ。

「メデ美の力には期待をしているよ。いざという時までは温存する予定だから、俺が大変な時は宜しく頼むよ」

「――は、はい!」

タロウの信頼と期待を感じ取ったのかメデ美は満面の笑みで頷く。  

そんなタロウの足元に2匹の青いスライムが「ぽよんぽよん」と近づいてくる。

スライム達の「わーいわーい」という楽しそうな声がタロウの耳には聞こえていた。

すると、そのうちの1匹がタロウの足にぶつかってしまう。

青いスライムは「ぼよん」と跳ね返り「?」と頭に浮かべている様子だった。

タロウの足にぶつかったスライムを見たメデ美は般若のような目つきで睨みながら、尻尾の先を持ち上げるとタロウに質問する。

「この無礼なスライムを叩き潰しましょうか?」

同じ魔物であるメデ美の言葉を理解したのか、タロウにぶつかった青いスライムは「ぶるぶる」と震え出す。

「――いやいや! 見逃してあげたってつかーさい!」

「え? 宜しいのですか?」

理解できないという感じで応えるメデ美に対して、タロウは「おっほん」と咳をひとつすると説教モードに移行する。

「よくお聞きやメデ美さん。情けは人の為ならず。という言葉がありましてな。相手のための情けは、やがて巡り巡って自分に返ってきて得になるという意味です。敵対する者には容赦は要らないけど、無害な者にはなるべく手を出さないようにね」

「このスライムを見逃す事により、いつか我の得になるのですか?」

「そういうこと。世の中は凄まじく複雑だからね。何がどうなるかとは予測はできないが、かならずそういう「流れ」が生まれるんだよ。その結果、俺達に「幸運」がやってくるわけさ。ま、この世には俺達が未だ知らない法則があるんだろうな」

タロウはメデ美にそう言いながら、この異世界に来るきっかけとなったあの覆面サラリーマンとの対話を思い出す。

「(生まれ変わる際に徳ポイントシステムがあるぐらいなんだ。良い行いにメリットがあるのは間違いない)」 

「さすがは我が神であられるタロウ様! この世の大いなる法則まで御存知であられるとは! 我等の魔法をもってしても「幸運」だけは、どうしようもありません。その深淵な世の法則を卑しき蛇めにお教え下さるとは感無量でございます!! なれば、今後は無益な殺生は控え、タロウ様の如く生きていこうと思います!」

「そうだぞメデ美や。不幸の連鎖を断ち切り、共に幸せの大道を歩もうではないかー」

神っぽく大仰に応えるタロウ。

「――ははぁぁぁ!!!!」

メデ美は感動して興奮しているのか、タロウの体にまとわりつかせていた蛇の胴体をギュッと締め付ける。

力一杯に抱きついているつもりなのだろうがタロウは「むぎゅー!」と悶絶する。

「メデ美ー。タロ様を締めつけちゃダメです!」

「――あわあわわわわ!!」

プス子にたしなめられて慌てて力を緩めるメデ美。

「げほげほっ! なんとも情熱過ぎる抱擁。全身の骨が悲鳴をあげたぜ」

「す、すすすすみませんタロウ様!! 神であるタロウ様になんたる無礼を!! この責任は、自ら首を引きちぎってお詫び申し上げます!!」

「――ちぎるなちぎるなっ!! 罰が欲しいなら帰ってからたっぷり俺に奉仕させてやるさ! むほほほ!」

タロウは鼻の下を伸ばして嫌らしく笑いながらメデ美の胸を揉み揉みする。

「は、はい!! 我の全てを捧げてご奉仕させて頂きます!!」

メデ美は頬を染めながらうっとりとした目でタロウを見つめる。

「タロ様ー。私も罰が欲しいです!」

「よし。プス子も帰ったらお尻ペンペンしてやろう」

「わーい!」

なぜか喜ぶプス子。

タロウ達は日が真上に昇りきらない内に狩りを終えると、そのまま難民街へと帰るのだった。
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