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よあけの部屋

□ 伝説になる騎士は元勇者(改) □

第10話 授業

 ウェンダリの話では迷宮騎士学園の生徒は、1年生の時に国語、歴史、算術、基礎迷宮学などの基礎学を終了しており、2年生になると座学がほぼ無くなって迷宮に潜る実践が基本となるとのことだった。

 自分の体調、練度の具合を見て、1年間を通して各自が自由に迷宮に潜れば良いらしく、迷宮に潜った際の回数、時間、経験値、取得財宝などにより評価点数が加点されるらしい。

 もちろん座学や戦闘訓練などの授業もあるのだが、必修ではなく好きなのを選択して自由に受ける事ができ、しかも評価点数を多く持ち、もはや学ぶ必要が無いと思う者は受けなくても良く、実力主義となっている。

 自由に受けられる座学や訓練的な授業には、騎士剣道訓練、対魔物戦闘学、応用迷宮学、薬草学、魔法学、罠学など、迷宮探索に役立つ科目が揃っている。
 より深い知識を得たい学生は、好きな教科の授業を率先してとるらしい。

 ちなみに、今日の授業は対魔物戦闘学らしく、元ムスロが取っていたらしい。
 もちろん座学などでも評価点をもらえるので、楽に点数稼ぎができる座学を受ける生徒はそれなりに多い。

 対魔物戦闘学とは、過去の迷宮騎士が持ち帰った貴重なデータを元に迷宮のいる危険な魔物達の生態や行動習性を勉強するのだ。
 ただし、これもあくまで一例にしか過ぎず、現場では常に応用力が求められる。

 残念ながら今の俺にとっては知識よりも実際に体験したいという欲求の方が強く、とても退屈な授業だった。

 なにせ、数多の魔物達との死闘を体験している俺としては、今更、スライムやオークががどうのとかいう授業はやはりつまらなく感じてしまうのだった。 

 それでも俺はユズコ先生の授業を真面目に受けながら、9時から11時までの2時間。間に休憩が10分を挟んで、午前の座学を終えるのだった。



 俺とウェンダリは一緒に食堂に行くと、ビュッフェ式の昼食を一緒に食べる。

 俺はカツ丼を2杯。
 チャーシューメンを1杯。
 サラダ中盛り。
 レモンソーダ1杯をテーブルに広げてガツガツと頬張る。

「なーウェンダリ。午後からは何をするんだ?」

 ウェンダリはカレーライスを食べながら応えてくれる。

「午後は実技訓練を取っているよ」

「俺も取ってたっけ?」

「うん、もちろん」

「そうか、どんなことをやるんだ?」

「運動場や外の草原に出たりして、模擬戦や個人戦、対魔物戦など色々やるよ」

「体を動かせる方が楽しくていいな」

「僕も同じだよ」

 ウェンダリがにこりと微笑む。

「そういえば、俺はあまり点数が足りていないんだよな。具体的にはどういう感じなんだ?」

「総合評価点数のことだね」

「あー、そうそう、それ」

「年間の総合評価点数を進級合格ラインまでに乗せないと、年度末の進級判定試験を「受けられない」んだよ」

 俺は「ゲホッ」と口に含んでいたカツ丼を少し吹き出す。

 おいおい、評価点が無いと受ける資格も無いのかよ。

「俺はどう頑張れば良いんだ?」

「2年生は実践による迷宮探索で評価点を稼ぐから、なるべく早く準備を整えてコツコツと潜り始めた方が良いね」

「なるほど、迷宮探索で点数稼ぎか……」

 2週間もあれば勘を取り戻せるかな。

「今の前向きなムスロなら大丈夫だよ。僕も応援するからさ!」

 とは言うものの、具体的な事が分からないと頑張りようが無いので、更に詳しくウェンダリに聞く。

 評価点数による進級判定ラインは「300点」。

 ウェンダリの話によると、俺の現在の基礎点は「10点」ぐらいらしい。
 もちろん後でユズコ先生にも確認には行くが、2学年が始まって既に1ヶ月ぐらいが経過しているらしいので、1ヶ月10点のペースでは合格ラインまでは到底、到達できないことになる。

 残り11ヶ月として1ヶ月、約30点近くは稼がないと駄目みたいだな。
 勇者の力があれば楽勝なんだが、ま、焦っても仕方がない。
 基礎練習をして少しでも脳神経細胞を鍛えよう。
 
 だが、その前に腹ごしらえも大事だ。
 俺は午後の授業に備えて、モリモリと昼食を食べるのだった。
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